COP9通信(2003年12月12日)


COP9閉幕

 12月1日からミラノで開催されていたCOP9は、12月12日午後6時50分に議長が議長
サマリーを読み上げて閉幕しました。

 COP7からの宿題であった「クリーン開発メカニズムの吸収源プロジェクトの実施
ルール(sink CDM)」については合意に達しましたが、「特別気候変動基金
(SCCF)」のガイドラインのなかの経済多様化などの部分、「非付属書・国の国家通
報」の問題などについては来年の補助機関会合(SB20)に先送りされました。 

 マラケシュから2年間かかった「sink CDM」の交渉が合意に達したことは、マラケ
シュからの宿題はすべて片付き、京都議定書の運用ルールが整い、発効と実施に向け
ての障害はなくなったことを意味しています。

 COP9は、ロシアが批准していないため京都議定書の発効のめどがたたない状況で開
催されたこともあり、京都議定書の発効と実施に対する各国の対応が注目されました
が、多くの国の代表が京都議定書の発効と実施への強い決意を示したことは、一定の
成果と評価してよいと思います。

 次のCOP10は、2004年11-12月にアルゼンチンで開催されることになりました。COP10を
京都議定書の発効後の第1回締約国会合(COP/MOP1)にしなければならないと思いま
す。そのためには、ロシアの批准を促すことが必要です。

 日本の市民・環境NGOとして、ロシアの批准に向けて何ができるかを考えたいと思
います。

CASA:COP9声明

 CASAは、声明を現地で発表しました。


 
今日の化石賞

12月11日(11日目)

1位 アメリカ、サウジアラビア、クウェート、オマーン:
        炭素固定技術に焦点をああてることにより、いまCO2排出量を削減する
        必要性から目をそらそうとしていること。
2位 イタリア:議長のまとめのなかに、「京都議定書はEUの経済競争に過大な重荷
        である」との文言を入れようとしたこと。 
3位 アメリカ:原発を推進しようとしていること。

12月12日(12日目)

1位 ロシア:朝の全体会で共同実施に関して、わけのわからない問題を議題にしよ
        うとしたこと。
2位 サウジアラビア:一人当たりGDPが13,300ドルもあるのに、特別気候変動基金か
             ら、石油が売れなくなることへの支援を得ようとしていること。


COP9の化石賞

 COP9を通しての化石賞の総合1位は23点のアメリカでダントツの1位でした。2位は
サウジアラビアの12点、3位はカナダの7点です。日本は6点でイタリアと並んで5位で
した。この総合評価は、1位が3点、2位は2点、3位は1点で評価されています。

1位 アメリカ                    23点
2位 サウジアラビア               14点
3位 カナダ                     7点 
4位 ニュージーランド、ロシア          6点
6位 日本、イタリア                 5点
8位 中国                        4点
9位 アルゼンチン、オーストラリア        3点
   フランス、アイルランド、ノルウェー
   クウェート、オマーン           
16位 コロンビア                    2点



ミラノ短信

 やっとCOP9が終了しました。京都議定書の発効のめどがたたないなかで開催された
だけに、各国の京都議定書に対する熱意が薄れてきているのではと心配していました
が、各国代表の発言は京都議定書の発効と実施への決意を示すものが多く、少し安心
したというのが正直な気持ちです。(H)


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