COPMOP3 通信7 20071214日)        

                      地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA

延々と続く交渉

 1214日朝から、条約の下の対話(ダイアログの継続)の決定草案の前文と先進国と途上国
条項についての非公式会合が、15日未明までつづけられました。部屋の外では、多くのNGO
マスコミ、政府関係者が中の結果を待っていました。

 前文で問題となっているのは、世界全体についての排出ピークと2050年半減目標、先進国に
ついての2020年までに2045%削減するとの目標数値を書き入れるかどうかです。交渉のなか
で途上国(G77)はこうした目標数値などを入れることに賛成したようですが、アメリカと日本
などが最後まで反対したようです。

 先進国と途上国条項については、事実上アメリカについての条項である1.B(@)と途上国の
参加についての1.B(A)の条項のことです。(COPMOP通信3の「アメリカの参加」「途上国の
参加問題」をご参照ください。)

 1215日午前2時過ぎに、合意ができないまま非公式会合は終了し、15日午前8時からCOPCOP
MOP
総会を開催することになりました。

新たな決定草案

 1215日午前8時過ぎに始まったCOP総会で配布された条約の下の対話(ダイアログの継続)の
決定草案の修正案は、世界全体についての排出ピークと2050年半減目標、先進国についての2020
年までに2540%削減するとの目標数値がすべて本文から無くなり、IPCC4次報告書の知見に応
える(responding)との文章だけが残され、注釈で、IPCC3作業部会第4次評価報告書の技術サ
マリー39ページにある温室効果ガス安定化シナリオを引用しています。

 またいわゆるアメリカ条項は、数値化された排出抑制・削減目標を含む、計測可能で、報告可
能で、検証可能な削減目標ないし対策をとるとされ、第3次草案の「すべての先進国の数値化され
た抑制および削減排出目標」を検討するとされていた記述から、大幅に後退しています。これは
アメリカが途上国条項と同じ表現にすべきと主張したからだと伝えられています、

 途上国条項は、アメリカが主張したとおり、「計測可能で、報告可能で、検証可能」な削減対
策をとるとされています。

 また、京都議定書9条の決定草案は、議定書の実施状況を見直すとされています。

 先進国の2013年以降の削減義務についてのAWGの決定草案は、1213日の草案のままで、まだこ
の作業を続ける上での「共有すべき視点(shared vision)」について2つのオプションが括弧書
き(両論併記)になったままです。

異例のCOP総会

 1215日午前8時過ぎから始まったCOP総会は、インドなどから条約の下の対話(ダイアログの
継続)の決定草案の修正案が、合意した文章と違うなどとクレームがつき、中国が事務局に謝罪
を求めるなど、再三にわたって協議が中断しました、途中、ユドヨノ・インドネシア大統領とバ
ンキムン国連事務総長が来場し、このバリで合意をつくることの重要性を呼びかけました。紆余
曲折の後、午後3時前、COP総会は条約のもとでの対話についての決定を採択しました。

 続いて開催されたAWGの総会は、AWGの決定草案の「共有すべき視点(shared vision)」につ
いて議論が行なわれ、カナダ、ロシアがオプショ1を、途上国を代表してパキスタンや小島しょ国
連合を代表してツバル、EU、南アフリカ、ニュージーランド、中国、ノルウェー、インドなど
ほとんどの国がオプショ2を支持しました。

 AWGの決定は、オプション2で午後5時に採択されました。また、COPMOP4に行われる議定書の見直
しについての決定草案も採択されました。

 CASAは、バリで以下のCOP13,COPMOP3声明を発表しました。

 CASA COP13/COPMOP3声明

 

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