バリで議論されるクリーン開発メカニズム(CDM)の議題について

  1. 新規HCFC22施設でのHFC23破壊事業の問題
  2. 小規模新規植林再植林1CDM事業の制限への変更について
  3. 炭素回収貯留技術(CCS)を使ったCDM事業

 

.新規HCFC22施設でのHFC23破壊事業の問題

モントリオール議定書で段階的廃止が決定しているHCFC22(オゾン
層破壊物質)は、その生産過程でHFC23(強力な温室効果ガス)を
排出します。このHFC23を破壊するCDM事業は、膨大なクレジットを
生み出すため、新規施設での事業を認めると、クレジットを得るため
に生産を減らす必要があるHCFC22を逆に増産させるインセンティブ
が働くのではないかという懸念があります。中国などは積極的に事業
実施に積極的であり、ブラジルが反対しています。

この議題は長らく議論されながら決着がついていませんが、今回新し
い要素として、9月にモントリオールで開催されたモントリオール議定
書の会合で、HCFCへの対策が強められました。オゾン層破壊にして
も、温暖化のことを考えても、HCFC22、HFC23の排出は削減されるべ
きであり、この決定を受け止めて、今回、CDM事業としても認めるべき
ではないことを決定すべきです。

2.小規模新規植林再植林CDM事業の制限への変更について

現在は8kt-CO2/年という上限があるが、それを引き上げる提案され
ている。

3 炭素回収貯留技術(CCS)のCDM事業

排出された炭素を回収し、地中あるいは海中などに貯留する技術を使う
事業をCDM事業として認めるかどうかということが問題になっています。
今のところ明確に懸念を示しているのは、ブラジルですが、中東諸国はも
ちろん、日本やカナダも前向きに検討しています。今回、事前に意見提出
を行ったのは、サウジアラビアと日本でした。バリでは、COP/MOP4でCD
Mとして認めるかどうかの決定をするための提言を行うことになっています。

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