「長期的協力のための行動に関する対話」(1/2)


2006.5.16 ボンにて 大久保ゆり

◆ この「対話」が設定されるまで・・・

  2005年12月にカナダ・モントリオールで開催された京都議定書
第1回締約国会合(COP/MOP1)では、京都議定書3条9項の下で先
進国の2013年以降の削減目標についての議論が開始されました。
モントリオールではこの議題のもと、特別作業部会(AWG)が開
かれることになり、今回のボンで最初の部会が開かれます(5/18
〜5/26)。

  しかし、3条9項に関する議論は、議定書を批准している先進国
のみの議論であり、議定書を離脱したアメリカを加えた議論がで
きません。アメリカを含めて将来の対策の議論ができるようにし
ようとすれば、京都議定書ではなく、アメリカが批准している気
候変動枠組条約の下での交渉が必要になります。そこでモントリ
オールでは、気候変動枠組条約の下に「長期的協力のための行動
に関する対話」が設定され、5/15〜16の2日間、ボンで開催され
ることが決まりました。

  しかしモントリオールでは、アメリカが最後まで対話の開催に
強く反発したため、最終的に合意された文書には、この対話が「
将来の交渉、約束、プロセス、枠組み、マンデートに繋がるもの
ではない」ことが明記され、「長期的な協調行動のために以下の
分野について経験を交流し戦略的アプローチを分析するためのも
のである」とされました。

  対話はすべての締約国に開かれたワークショップ形式で開催さ
れ、その内容がCOP12、COP13で報告されることになっています。
また、各国は4月15日までに以下の4つの分野で何を議論するかに
ついての意見を提出することになっていました。
    (a)持続可能なかたちでの発展目標の達成
    (b)適応活動の取組み強化
    (c)技術による最大限の可能性の実現
    (d)市場機会の最大限の活用
  対話は、この各国が提出した意見をもとに進められることにな
ります。

各国の提出意見、スケジュールは気候変動枠組条約事務局のサイトにあります。
国連気候変動条約事務局(UNFCCC)のページ (英語)


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